「書く」能力って、何を指しているの?
日本語の文章を、英語に訳す能力(つまり英訳する能力)だよ。
英語の選択問題
英語の4技能のうち、「書く」能力とは何でしょうか?
中学の英語の定期テストで、解答を記載することが、「書く」能力でしょうか?
この点がきちんと分かれば、日本人の英会話が苦手な理由を明らかにすることができます。
例えば、次のような選択問題があったとします。
次の( )に当てはまる語を、(ア),(イ),(ウ),(エ)から選びなさい
I play baseball ( ) school.
(ア) on (イ) under (ウ) after (エ) with
この問題の答えは何でしょうか?
もちろん、(ウ)ですね。
after school (放課後)という意味です。
この文章の日本語訳は、「私は放課後、野球をします」です。
でも、この問題が解けたから、「私は放課後、野球をします」と言いたいときに、「I play baseball after school」と訳せるようになるのでしょうか?
私は、ここに落とし穴があるように思います。
英文全体の意味が分からなくても、英単語帳で「after school = 放課後」を丸暗記していれば、この問題は解けます。
しかも、選択肢 (ア) on と (ウ) afterで迷って、最終的に(ウ)を選んで正解しようものなら、全く理解していないのと同じです。
そのため、問題が正解したからといって、油断は禁物です。
英語の並び替えの問題
それでは、次のような問題だと、どうでしょう?
次の単語を並び替えて、日本語訳を作りなさい
私は放課後、野球をします。
play / I / school / after /baseball
確かに、最初の選択問題に比べれば、理解していないと問題が解けない仕組みになっています。
でも、この形式の問題も、あくまで並び替えを行っているだけです。
英訳の問題
そのため、最終的には、次のような問題が解けるようにならないといけません。
次の日本語の文章を英語に訳しなさい
私は放課後、野球をします。
『日本語の文章を英語に訳しなさい』という問題(つまり英訳の問題)が解けてこそ、初めて「書く」能力が身に付いたと言えると思います。
そして、「書く」能力が身につかないと、「話す」ことは絶対にできません。
「日本の英語教育は、文法主体だから、英会話に役に立たない。」とよく言われます。
果たしてそうでしょうか?
きちんと英訳ができるのにも関わらず、英会話ができないのでしょうか?
それとも、選択問題、並び替えの問題ばかり解いていたから、英会話ができないのでしょうか?
英会話ができないときには、この点をきちんと分析しなければいけません。
「それじゃあ、選択問題、並び替えの問題って、意味ないの?」と思われるかもしれません。
しかし、そんなことは、まったくないです。
英訳の問題って、とっても難しくて、初めから行うのはハードルが高いですよね。
だから、選択問題→並び替えの問題→英訳の問題と、難易度を上げていき、徐々に問題を解けるようになる必要があります。
そういう意味では、選択問題、並び替えの問題にも、きちんと役割があります。
ただし、最終的には日本語の文章を英訳できるレベルにまで到達すべきである。
これが、私の考えです。
これを軸にして、長男に英語の先取り教育を行ってきました。
- 「書く」能力とは、英訳を行うことができる能力である。
- 選択問題、並び替えの問題が解けても、「書く」能力が身についた訳ではない。