中学生のお子さんがいる保護者で、次のような悩みはないでしょうか?
中学生になって、英語の定期テストが悪くて、困っている。
どのように、英語の定期テストの勉強をすればいいの?
このブログでは、長男・次男の経験談より、この質問にお答えします。
本記事を書いた人
医師、英検準1級。国際学会にて、英語で討論する機会あり。
小学生の英語勉強法を研究
長男が小学5年生のときに、中学英語の先取り学習を始める
長男は、現在中学2年生になり、中学3年生までの英語(つまり高校受験英語)まで終了している。
長男は、定期テスト、模試を、試験勉強を全くしないで、90-95点をキープしている。
✓本記事の内容
子供の、中学の英語の定期テストが悪くて、困っている。
このような問題でお悩みの保護者の方は、多いと思います。
どのようにしたら、英語の定期テストで高得点がとれるのでしょうか?
それには、まず定期テストのことを、きちんと分析して、対策を練らないといけません。
この記事では、長男の定期テストを基に、分析した結果を、お教えしますね。
長男の中2の定期テストの結果
長男(中2)の期末テストが先日、終了しました。
テストの成績ですが、ようやく100点をとることができました。
今までも95点以上はキープしていましたが、なかなか100点をとることができませんでした。
小学生時代に英語の先取り学習をしていた効果は、まだ持続されています。
さて、英語の学年平均は50点であり、相変わらず低いままです。
このブログで何度も述べていますが、2021年度に学習指導要領の改訂が行われてから、英語が難化して、英語が苦手な中学生が増え、定期テストの点数が低くなっています。
「中学英語が大変~中1期末テストの結果」では、中1の期末テストの報告をいたしました。
今回は、中2の期末テストの分析をした結果を報告しますね。
定期テストの配点
英語の定期テストの勉強は、「英単語」「英文法」「教科書の問題」「リスニング」をバランス良く勉強することが大切です。
そのため、この一つ一つを分析して対策を考えたいと思います。
ここで、リスニングに関しては、話が長くなりますので、今回はリスニング以外の筆記問題である「英単語」「英文法」「教科書の問題」の3つの項目を、本記事にて説明します。
テストの分析の結果、配点は以下の通りでした。
リスニング 20点
教科書の問題 20点
英文法 40点
英単語 20点
上記の結果を見て、何かに気付きませんか?
そうです。英文法と英単語をきちんと理解していると、60点は確保できるのです。
この結果をふまえて、「英単語」、「英文法」「教科書の問題」の各々の項目を、説明しますね。
英単語
今回のテスト範囲に出てきた新しい単語は、およそ200語でした。
200語もある?
私は驚きました。
「中学英語が大変なことになっている。」で述べたように、現在のカリキュラムでは、小学生で英単語600語、中学生で1800語を覚えることになっています。
現在の小学生の英語教育では、英単語をきちんと覚えさせるような授業ではないため、実質、中学3年間で2400語の英単語を覚えないといけないのです。
現在、定期テストは年に4回(中間2回、期末2回)あるため、3年間で合計12回となります。
そのため、1回のテストで200語だと、200語 x 12回 =2400語となり、上記の2400語と話が合います。
しかし、ここで注意しておくべき点があります。
1回の定期テストで、平均200語の英単語を覚えるのですが、「中学英語が大変~中1期末テストの結果」で述べたように、中学1年生の定期テストの時の、新しい英単語は140語でした。
つまり、1年生から平均して、定期テストのたびに200語出題されているわけでないのです。
1年生は140語、2年生で200語ということは、3年生だと1回の定期テストで260語覚えないといけない可能性があるわけです。
こう考えると、英単語だけでも一苦労ですね。
さて、英単語ですが、今回出題範囲の英単語には難しいものもありました。
fossil fuel (化石燃料)
dependable (信頼できる)
waterproof (防水性の)
どうでしょうか?
こんな難しい英単語を、私は中学生時代に覚えた記憶がありません。
かなり、中学英語のレベルが上がっていることが、実感できます。
ただし、これらは今回の定期テストの範囲でも、難しい部類の英単語であり、全部がこのような英単語ではありません。
そうは、いっても英単語を240語も覚えられない!
そう、心配される保護者も多いでしょう。
でも、安心して下さい。
テストを分析した結果、あることが分かりました。
テスト問題の英単語は、簡単な熟語だった
テストに出題されている英単語は下記のようなものでした。
By the way (ところで)
Thanks to ~ (~のおかげで)
As you know (ご存知の通り)
私は問題を見て、こう思いました。
英単語の問題といいながら、熟語のテストじゃないの?
そうなんです。
今回覚えないといけない、200語の英単語には、熟語も含まれており、問題として出題されているのは、ほとんど熟語でした。
つまり、どういうことかといいますと、
難しい英単語のスペルをわざわざ覚えなくて良い!
こういうことになります。
教科書の問題
さて、「教科書の問題」について語るには、まずは教科書の内容を知る必要があります。
今回の定期テストの範囲の、教科書の英文を示します。
Penguins fast while their feathers change every year.
When their new waterproof feathers are just growing in, they cannot go into the water to get food.
(ペンギンは、毎年羽が生え変わる間、絶食します。水を通さない新しい羽がちょうど生える時には、ペンギンは食べ物をとるために、水の中に入っていけないのです)。
どうでしょうか?
これが、現在の中2の教科書の英文です。
私は、あまりのレベルの高さに驚き、長男に聞きました?
「授業中にみんな理解できている?」
長男は、「いや、理解できていない。」と答えました。
長男は、中学英語を全部終わらせているので、理解できます(それでも、長男が言うには、そんなにスラスラ読めるほど簡単ではないと言っています)。
しかし、中学から英語を始めた生徒は、ほとんど英語の長文は理解できていないようです。
授業では、教科書の英文はさらりと訳して、主に英文法の説明をおこなっているそうです。
それじゃあ、「教科書の問題」は定期テストで、解けないじゃないか!!
でも、心配しないでください。
教科書の内容は、非常に難しいのですが、テストの配点も低く、20点でした。
そして、「教科書の問題」も、教科書を完全に理解していないと解けない問題ではありません。
つまり、教科書の内容に沿った英文法の問題であり、その場で解答することも可能です。
「20点と配点が低いこと」「その場で解答することも可能なこと」「教科書の内容が難しすぎること」から、英語の定期テストの際には、深く教科書は勉強しないことがよいでしょう。
英文法
最後に「英文法」の項目です。
保護者の皆さまは、中学時代に、教科書の内容に沿った「ワーク」が渡された記憶があると思います
いわゆる、学校から配られる問題集です。
ワークと教科書の範囲は、リンクしております。
例えば、レッスン2で「過去進行形」の項目があったならば、ワークのレッスン2では、「過去進行形」に関する問題が掲載されています。
長男の今回の期末テストの試験範囲は、「過去進行形」「接続詞 (When, because, ifなど)」「不定詞」でした。
「不定詞」の項目の、教科書の本文には以下のような英文がありました。
Many people are trying to do something to reduce their hard work.
(たくさんの人々は、大変な仕事をへらすために、何かすることを試みている)
このこの英文には、「不定詞」の用法が2つ含まれています。
try to do something (何かすることを試みている) → これは、名詞的用法です。
to reduce their hard work (大変な仕事を減らすために) → これは、副詞的用法です。
1つの英文に、不定詞の「名詞的用法」と「副詞的用法」の2つが含まれています。
しかも、この英文は、Many people are trying ~となっており、これは「現在進行形」の文となります。
どうでしょうか?
ひとつの文章に、「現在進行形」「不定詞の名詞的用法」「不定詞の形容的用法」の3つの英文法が入っています。
こんなに、たくさんのことが詰め込まれていたのでは、「不定詞」を理解できないですよね。
このブログで何回も話しているように、新しい英文法を学ぶときには、簡単な英単語で、一つずつ勉強しないといけません。
例えば、「不定詞の名詞的用法」の場合です。
I try to play soccer. (私は、サッカーをすることを試みる)
また、「不定詞の形容詞的用法」の場合です。
I go home to watch TV. (私は、テレビを見るために家に帰る)
このように、一つの英文法を学ぶときには、「簡単な英単語」で、「短い英文」で勉強すると、理解しやすいです。
しかも、教科書には上記に示したように、難しい英単語が含まれ、2つ以上の英文法から構成されることもあり、教科書で英文法を理解するのは、ほとんど不可能だと思った方が良いと思います。
そこで、勉強するのに良い教材が、学校で配られている「ワーク」です。
ワークは、教科書とは関係ない内容で、問題が構成されています。
さらに、簡単な英単語で、一つの問題で英文法を複数詰め込まないで、問題が構成されています。
つまり、教科書の内容が分からなくても、ワークをきちんと理解できていれば、英文法が理解できるようになっています。
そのため、英文法を学びたいならば、ワークをしっかり行うことが重要になってきます。
ただし、ワークの弱点は、ワークだけでは問題数が少ないということです。
そこで、「小学生・中学生 英語 お勧めの参考書・問題集~基礎編」で紹介している問題集も一緒に解くことにより、より英文法の理解が深まると思います。
中学の定期テスト対策のまとめ
定期テストを「英単語」「英文法」「教科書の問題」に分けて、分析した結果をまとめますね。
①英単語は1回の平均で200語出てくる
②英語の授業は、教科書の内容にはあまり触れず、英文法を主に教えている。
③教科書の英単語や英文は、かなり難しい。
④「英単語」「英文法」の内容で、定期テストの60点(筆記80点中)を占めている。
⑤ 「英単語」「英文法」の問題は、簡単な英単語、英文法で構成されており、「ワーク」にて対策ができる。
つまり、「ワーク」の問題を解いて、ワークの「英単語」を覚えて、「英文法」を理解していれば、筆記試験80点満点のうち、60点がとれる内容となっています。
「教科書の英文」から出題されている問題は、筆記80点中20点ぐらいです。
さらに、「教科書」の問題も、教科書を完全に理解していないと解けない問題ではなく、教科書の内容に沿った「英文法」の問題です。
ここで、保護者から次のような声が聞こえてきます。
その分析は、長男の中学校の話で、どこの中学校にも当てはまらいんじゃないの?
その通りだと思います。
私が、この記事で述べたいのは、「英単語」「英文法」「教科書の問題」にきちんと分けて分析して、各々の中学校に応じた対策を立てることが重要だということです。
ただ、おそらく2021年度から学習指導要領が改訂され、中学英語が難しくなったので、おそらくどの中学校も似たような傾向になっていると思います。
定期テストの究極の勉強方法
さて、長男の中学校の、定期テストの英語の平均点は50点ほどです。
おそらく、全国的にも似たような平均点だと思います。
そのため、英語が苦手で悩んでいる中学生は、教科書はある程度あきらめるのが良いと思います。
教科書の英文の内容が難しいため、教科書に時間をかけても、点数がとれないばかりか、英語が理解できない可能性があります。
まずは英語のワークをしっかり勉強して、英文法をマスターするのが、重要ではないかと思います。
ここで、また次のような声が聞こえてきます。
「英文法」の勉強方法は分かったけど、「英単語」を200語なんて、覚えられないよ~。
200語も覚える必要はないのです。
上述したように「英単語」の問題は、熟語が出題されていました。
さらに、「英文法」の問題は、「ワーク」に載っている英単語を覚えれば、解くことができ、その数は100語ぐらいです。
つまり、定期テストの問題は「ワークの英単語」100語をきちんと覚えることより、「英単語」「英文法」の問題を解くことができて、60点(筆記80点満点)がとれるようになっているのです。
注意点~いつかは英単語は覚えないといけない
ここで、注意すべき点があります。
「ワーク」に掲載されている英単語100語に絞って勉強しても、定期テストでは得点がとれる可能性がありますが、あくまでも定期テスト対策の話です。
学習指導要領で述べられているように、受験のためにはあくまで英単語を2400語覚えないといけません。
しかし、定期テストは英語だけを勉強すれば良いわけではないので、英語を含めて効率よく勉強しないといけませんよね。
そのため、英語の「定期テスト対策」と「受験の対策」の勉強方法は、別であると割り切って考え、定期テストだけの対策に徹することが重要です。
そして、受験用の英単語は、毎日地道に覚える。
この方法で、英語が苦手な中学生の、英語の点数が伸びることを願っております。