英検って、役に立つの?
英検合格だけでは、英会話はうまくなれないよ。
小学生の身近な目標である英検
小学生で英語の先取り学習をしている方は、ほとんどが英検を受けていると思います。
小学生で英検3級を合格している子供は多く、準2級、2級に合格している子供もいます。
長男も、小学6年生の2月(つまり、6年生の最後のほう)に、英検3級に合格しました。
それでは、英検に合格すると、英会話が上手になるのでしょうか?
私も、英検準1級に合格しておりますが、次の考えを持っております。
「英検に合格しても、それだけでは、英会話ができるようには、絶対にならない!!!」
長男にも、いつもこのことを言っております。
では、なぜ子供に英検5級、4級、3級を受験させたのか?
今日は、英検の意義を含めて、お話いたします。
英検の問題の構成
小学生の目標として、英検3級までの合格を目指している方が多いと思いますので、英検3級について、説明いたします。
英検は、リーディング問題 35問、ライティング問題 1問、リスニング問題 30問の合計75問です。
リーディング問題の内訳は、(1)語句・熟語 (2)会話文 (3)長文から構成されます。
それでは、これらが、英語の「読む」「書く」「聴く」「話す」の、どの能力に当てはまるのか、見てみましょう。
リーディング問題のうち、(1)語句・熟語 (2)会話文 (3)長文は、「読む」能力に分類されます。
ライティング問題は、「書く」能力、リスニング問題は、「聴く」能力です。
まとめますと、英検では、「読む」「書く」「聴く」能力の試験といえます。
でも、実質、英検は「読む」「聴く」能力を評価するだけの試験なのです。
英検とは、「読む」「聴く」能力のためのテストである
なぜでしょう?
英作文であるライティング問題があるのに、「書く」能力は、なぜ評価されないのでしょう?
英作文は、以前は存在せず、2016~2017年度より導入されました(級によって導入年度がことなります。)
そして、英作文の問題は、他の問題に比べて、かなり簡単で、コツさえ分かって、過去問で対策すれば、誰でも解けます。
つまり、ボーナス問題であり、これで「書く」能力の評価とは、とても言えません。
そのため、英検は実質、「読む」「聴く」能力を評価する試験と言えるのです。
話は変わって、「読む」「書く」「聴く」「話す」の4つの能力を、「インプット」「アウトプット」という観点で分類してみましょう。
「読む」「聴く」能力とは、情報をとりいれる能力、すなわち「インプット」能力です。
これに対して、「書く」「話す」能力は、情報を出す能力、すなわち「アウトプット」能力になります。
英会話がうまくなるためには、「聴く」「話す」能力を鍛える必要があります。
つまり、英検の勉強をいくら行っても、「読む」「聴く」能力のみを鍛えていることになります。
「ちょっと待って、英検には二次試験があるんじゃん これは、まさに英会話の能力じゃない?」
このことを、お話すると、こう思われる方もいらっしゃると思います。
確かに、英語の2次試験の面接は、「聴く」「話す」能力を評価する試験です。
しかし、2次試験の合格率は、3級 90%、準2級 80%、2級 80%という合格率の高さが示すように、コツさえつかんで、過去問で対策をしていれば、合格することができます。
そのため、再度繰り返しますが、英検は、「読む」「聴く」能力を評価するテストでしかないのです。
そのため、英検のみを目標に英語の勉強をしても、英会話ができるようにはなりません。
次の記事では、『英検合格だけでは、英会話がうまくなれない理由』を、さらに詳しく見ていきましょう。