~小学生、中学生のお子さんがいる保護者で、次のような悩みはないでしょうか?
中学3年生なのに、模試で英語の点数が悪い
中3の9月からは、どのような勉強をすれば良いの?
このブログでは、長男・次男の経験談より、この質問にお答えします。
本記事を書いた人
医師、英検準1級。国際学会にて、英語で討論する機会あり。
小学生の英語勉強法を研究
長男が小学5年生のときに、中学英語の先取り学習を始める
長男は、現在中学3年生になり、中学3年生までの英語(つまり高校受験英語)まで終了している。
長男は、定期テスト、模試を、試験勉強を全くしないで、90-95点をキープしている。
長男(中3)は、現在高校受験に備えて、受験勉強を行っております。
中3となると、学校、塾を含めて色々と模試を受けております。
夏休み明けに受けた模試で英語が思うように点数が取れなかった
英語の点数アップのために、どのようなことをしたら良いか分からない。
このように、悩んでいる中3の子供をもつ保護者もいらっしゃるのではないでしょうか?
安心して下さい。
そのような保護者のために、夏休み明けの「中3の9月からの勉強方法」をお教えしますね。
長男の模試の分析
長男の模試を見て、レベルに応じた勉強方法を考えましたので、ご紹介いたします。
長男は、中学校で模試を受けました。
英語のテストを見た結果、驚きました。
「今の高校受験の英語のテストって、こんなに難しくなっているの?」
まずは、その内容をお話しましょう。
英語のテストの内訳
まず、英語のテストは以下のように構成されています。
問題1 リスニング 5問
問題2 空欄補充 (単語を空欄から選ぶ) 3問
問題3 英文作成 - 並び替え 2問
問題4 対話形式の長文問題 (30行) 10問
問題5 長文問題 (論説) (35行) 10問 注釈の語 30語
試験時間は、45分であり、リスニング10分です。
そのため、問題2から問題5の記述試験は、合計35分で行うことになります。
長文問題は、「問題 4 対話形式」が30行、「問題5 論説形式」が35行の長文です。
問題2, 問題3と合わせて、合計35分で解くのは、かなり難しそうです。
問題2、問題3を「5分」で解き終えて、問題4、問題5の長文問題を、「30分」で解く。
これが、現実的な時間配分だと思います。
長文問題のレベル
しかし、長文問題を見て、さらにこう思いました。
「長文問題2つを30分で解くのは、かなり難しいのではないか?」
長男は、小学5年生から英語の勉強を開始しており、中学3年生になってから、英検準2級の長文問題を解いていました。
準2級の長文のレベルに比べると、学校の模試のレベルは、2ランクぐらいレベルが落ちます。
その長男でさえも、英語のテストは時間ギリギリでした。
言い換えると、中学生になってから英語を始めた生徒は、絶対に時間内に終わらないぐらい難しいです。
英語なんて、そんな難しい科目じゃなかった!
「中学英語が大変なことになっている。」で説明したように、2021年度から英語が極端に難しくなっております。
つまり、私たち保護者世代の英語の勉強を、中3の9月から行っても、受験までに問題が解けるようにはなりません。
「夏休み終了時点で、英語の模試に悩んでいる生徒は、どのように対策するのがよいのだろうか?」
そんなことを思い、「現在の中学英語に対応した勉強方法」を考えました。
このブログで紹介している問題集を使って、どのように勉強したらよいのかを、成績に応じて解説いたします。
使用する問題集
本ブログで紹介している問題集の中で、以下の3冊を使って勉強します。
①英文法パターンドリル
②英語リピートプリント
③完全攻略 英語
「①英文法パターンドリル」と「②リピートプリント」は、基本レベルの問題集です。
「小学生・中学生 英語 お勧めの参考書・問題集~基礎編」の記事で詳細を説明しています。
一方「③完全攻略」は、「基本問題」「標準問題」「応用問題」と、同じ問題集の中で、レベルが異なる問題で構成されています。
こちらは、「小学生・中学生 英語 お勧めの参考書・問題集~中級編」で紹介しております。
問題集のレベルを、レベル1からレベル5まで5段階まで分類すると以下のようになります。
レベル1 英文法パターンドリル
レベル2 リピートプリント
レベル3 完全攻略 基本問題
レベル4 完全攻略 標準問題
レベル5 完全攻略 応用問題
中1、中2で時間のある生徒は、英文法のある範囲(例 動名詞)を勉強するときは、どのように勉強すれば良いでしょうか?
もちろん、レベル1から始めてレベル5まで到達することを目指します。
しかし、本記事は、「中3の9月からの勉強方法」です。
レベル5まで目指していては、時間が足りません。
そのため、本記事では「中3の9月から効率よく英語を勉強する方法」がテーマです。
さて効率よく英語の勉強をするため、現在の英語の成績(模試の点数)に応じてランクを「4段階」に分類します。
ランクA 75-100点
ランクB 50-75点
ランクC 25-50点
ランクD 0-25点
「ランクA」の生徒は、今まで通り自分自身の英語の勉強方法を突き進んで下さい。
このブログでは、「ランクB」「ランクC」「ランクD」の生徒の勉強方法を解説します。
ランクD 模試で0-25点
まず、ランクDは、模試で0-25点をとっている生徒です。
ランクDの生徒の問題点は、中1の英文法からをきちんと理解していないことです。
そのため、中学校で習った英文法をきちんと全部復習する必要があります。
そのため、「レベル1 英文法パターンドリル」、「レベル2 リピートプリント」を使用して、英文法の完全復習を行います。
レベル3以降の「完全攻略」の問題集は、使用する必要はありません。
ひたすら、基本問題を解きましょう。
問題集の使用方法ですが、例えば「一般動詞」の項目を勉強するとします。
「レベル1 英文法パターンドリル」の「一般動詞」の範囲を終わらせた後に、「レベル2 リピートプリント」の「一般動詞」の範囲の問題を解きます。
「英文法パターンドリル」の特徴は、「一般動詞」の項目があると、「肯定文のページは、肯定文のみ」「否定文のページは、否定文のみ」というように分けられており、非常に勉強しやすくなっています。
最初に英文法を学ぶ時は「肯定文」「否定文」「疑問文」ときちんと分けられた方が、効率的に勉強できます。
しかし、一旦「肯定文」「否定文」「疑問文」を勉強したら、次はそれらをごちゃ混ぜにして勉強して、使いこなせるようにしないといけません。
それを効率よく勉強できるのが、「レベル2 リピートプリント」です。
ランクDの生徒は、「レベル1 英文法パターンドリル」「レベル2 リピートプリント」をひたすら解いて、まずは基本的な英文法を習得して下さい。
ランク C 模試で25-50点
ランクCは、模試で25-50点をとっている人です。
ランクCの人がなぜ英語の点数が伸びないかというと、「中学のある時期」から英文法を理解できなくなっているのが原因です。
つまり、ランクCの生徒が効率よく英語の勉強をするためには、「英文法を理解できなくなった時期」を把握する必要があります。
そのため、まず「③完全攻略の基本問題」を、中1の最初から解いて下さい。
そして、ある時期から正答率が非常に悪くなってきます。
そこが、「英文法を理解できなくなった時期」です。
正答率の目安は、70%を切るようになったところです。
例えば中2の「動名詞」の範囲が、「完全攻略 基本問題」にて70%以下の正答率になったとします。
つまり、この「動名詞」の以降の範囲が理解できていないため、英語の点数が伸びないのです。
そして、これ以降はランクDの生徒の勉強方法と同じです。
「①英文法パターンドリル」「②リピートプリント」を解いて、英文法をきちんと理解するようにしてください。
そして、「①英文法パターンドリル」「②リピートプリント」を解き終えたら、「③完全攻略 基本問題」「④完全攻略 標準問題」まで解くことを目標にして下さい。
「④完全攻略 標準問題」が解けるようになれば、ランクBに上がれると思います。
ランク B 模試で50-75点
さて、ランクBは、模試で50-75点とる生徒です。
ランクCの人が「ある時期より英文法が全く理解できなくなった」のに対して、ランクBの人の特徴は、時々「理解していない英文法」が存在しています。
そのため、その範囲を効率よく見つけ出さないといけません。
まず、ランクCの勉強方法と同じく「完全攻略の基本問題を」解いて、正答率70%以下の範囲を見つけ出してください。
そして、ランクDの勉強方法と同じで、「①英文法パターンドリル」「②リピートプリント」を解いて、英文法をきちんと理解するようにしてください。
そして、「①英文法パターンドリル」「②リピートプリント」を解き終えたら、目標は「③完全攻略 基本問題」「④完全攻略 標準問題」「⑤完全攻略 応用問題」まで解くことです。
ランクB、ランクC、ランクDの勉強範囲
ここまで、ランクB、ランクC、ランクDの使用する問題集をまとめると、以下の通りです。
ランクB 「パターンドリル」「リピートプリント」「完全攻略 基礎」「完全攻略 標準」「完全攻略 応用」
ランクC 「パターンドリル」「リピートプリント」「完全攻略 基礎」「完全攻略 標準」
ランクD 「パターンドリル」「リピートプリント」
どのランクでも「パターンドリル」「リピートプリント」で英文法をしっかり理解します。
それでは、それぞれのランクによる差は何でしょうか?
ランクCの人は、「パターンドリル」「リピートプリント」を勉強する範囲が狭いため、「完全攻略 基本」「完全攻略 標準」まで到達することができます。
さらに、ランクBの人は、「パターンドリル」「リピートプリント」を勉強する範囲がさらに狭いため、「完全攻略 基本」「完全攻略 標準」「完全攻略 応用」まで到達することができるのです。
重要なことは、すべての英文法の範囲において「パターンドリル」「リピートプリント」にて、英文法をしっかり習得することなのです。
試験問題の解き方
さて、ここで模試の内訳に戻ってみましょう。
問題1 リスニング 5問
問題2 空欄補充 (単語を空欄から選ぶ) 3問
問題3 英文作成 - 並び替え 2問
問題4 対話形式の長文問題 (30行) 10問
問題5 長文問題 (論説) (35行) 10問 注釈の語 30語
繰り返しますが、ランクDの生徒は、「①英文法パターンドリル」「②リピートプリント」の問題集だけを行います。
そうすると、「問題4 対話形式の長文問題」「問題5 長文問題 (論説)」などの長文問題を勉強しないため、点数が全くとれないのではないか?と思うかもしれません。
そんなことは、ありません。
その理由を説明しますね。
長文問題の勘違い
本記事では、現在の成績に応じて最も効率よく点数をアップさせる方法を記載しています。
ここで、良くある勘違いを紹介します。
長文問題って、長文の内容を理解しないと解けないのではないの?
いえ、そんなことはないのです。
実は、長文問題には「長文の内容を理解していないと解けない問題」と「長文の内容と関係していない問題」に分けられます。
「長文の内容に関係していない問題」とは何のことでしょうか?
例えば長文の一文に次のような( )で埋められた、不完全な英文があることがあります。
The book was written ( ) Mike.
そして、問題は、( )の中に当てはまる語句を埋めなさいというものです。
この英文は「受け身」の文章のため、( )に入る語は、「by」ですね。
これって、長文問題に出題されていますが、長文の内容を理解しないと解けないでしょうか?
そんなことないですよね。
これは、ただの空欄補充の問題です。
そのため、ランクDの人は、基本をきちんと押さえて、「問題2 空欄補充」「問題3 英文作成(並び替え)」を解いて、長文問題における「長文の内容と関係していない問題」を解けるようになれば、35点ぐらいはとれるようになります。
中3の9月からは、欲張らないこと
最後に、注意すべき点を述べますね。
夏休み明けの9月から入試までの3月までの約6か月間で、実力はせいぜい1段階しか上がりません。
つまり、「ランクD」人は「ランクC」、「ランクC」は「ランクB」にしか上がりません。
そりゃ、英語だけを勉強すればよいのでしたら、2段階ぐらい上げることは可能でしょう。
しかし、入試は5教科しないといけません。
正直、英語を2段階上げるのに時間を費やすぐらいなら、理科、社会の暗記をきちんと覚えた方が、5教科トータルの点数は上がると思います。
だから、大事なことは「欲張らずに勉強すること」です。